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貴方への祈り

某氏が引退宣言したと聞いて、ビックリすると同時に阻止動画がたくさん上げられていました。私は動画では間に合いそうにないので、SSで思いをこめます。某氏、見ていたら、どうか考え直して頂けませんか……? やむにやまれぬ事情があるなら、悲しいですが、致し方ないとは思いますが……
SS本文は続きからどうぞ。
 お父さん、行かないで……私を一人にしないで……
 私、いい子になるよ。もっともっと頑張るよ。リクの面倒だって見るよ。だから……帰ってきてよ。

 ガバッ!
 急に身を起こしたせいか、私――広衣(ひろい)ウミ――は、軽い眩暈を起こした。そして、その瞬間に、見慣れぬ布団が目に入る。……え?
 慌てて私は、あたりを見回す。どうやらここは、私の部屋ではないらしい。その証拠に、簡素で無機質な鉄の壁を隠そうともしていない……観葉植物すら見当たらないのだ。
 はて、私は何故ここにいるんだろう。布団に寝かされていた、と言う事は、少なくとも誘拐や婦女暴行の類ではないだろうけど……
 と、色々考えていた、その時だった。
 コンコン。
 の、ノックの音!? どどど、どうしよう、誰かきたーっ! とりあえず頭は両手で守らないと!
「失礼しま……あ、目が覚めたんですね、よかった!」
「わわわわわ私は食べても美味しくないよ! あっち行って……って、え?」
 聞いた事のある声に顔を上げると、そこには、全身がほぼ真っ赤の魔女子さんがいました。
「ま、魔女子さん!? なんでここに!」
「ソレでも間違いじゃないですケド、私には一応、モナ子って名前がありますので。
 事情はちゃんと説明しますから、とりあえず、落ち着いて?」
 苦笑しながらそう言うと、魔女子さん……もといモナ子さんは、私に飲料水のボトルを渡してくれる。
「今日は暑いですから、冷たい飲み物でもどうぞ」
「あ、ありがとう……」
 確かに今日は暑い。この部屋も、エアコンがない代わりに扇風機が置かれ、強のランプを赤々と輝かせている。ああ、飲料水のボトルが冷たくて、気持ちいいかも……
「……落ち着きました?」
「あ、えっと、だいぶ」
 モナ子さんは空気でも読めるんだろうか。まるで見透かしたように、私に話しかけてくれる。そういえば、まだ『事情』とやらを聞いてない。
「それでその……なんなんですか? 事情って」
「うーん、ちょっと大げさな言い方しちゃったんで、拍子抜けかもですケド……。ウミちゃん、私の家の前で、倒れてたんですよ。で、暑さで参ったのかもと思って、日陰の多いこの部屋に寝かせたんです。
 人を運ぶ魔法には慣れてないんで、お師サマに手伝ってもらったんですが」
 なるほど、なんとかわかった。でも……
「私……ちょっと前まで、自分の部屋にいたはずなんだけど……なんで外に……」
 独り言のつもりだったそれは、近くにいたモナ子さんには届いてしまったようで、
「その、言いづらいんですが……うわ言のように、お父さん、お父さんってずっと言ってましたよ? 何があったか知りませんケド、ツライなら、相談くらいは乗りますよ」
 ああ、そうか……私……
「い、いえ、いいんです。多分、無意識に外に出たくなっただけですから。気にしないでください」
「でも……」
 適当に誤魔化そうとしてる事も、この人には伝わってしまってるかもしれない。その証拠に、どうにか私を引きとめようとしてるし……
 だけど、言えるはずがない。お父さんを探しに行こうとしてました、なんて。どうやっても、たどり着けるはずなど、ないのに。電子の海に囚われた私は、もう、お父さんとは……
「う、ウミちゃん? 泣かないで、リンゴ飴あげるから……」
「いらない、です……私の気持ちなんて、貴女にはっ……!」
 今、私は……何を、言おうとしてた? 助けてくれた人に、何をしようと……?
 いやだ……こんなの私じゃないよ……助けて……おとう、さん……
「……うわあああああああああああああああああああああああん! おとうさあああああああああああん!」
「ウミちゃん……」

 ――世界が滲む。耳にフィルターがかかる。今の私が頼れるのは、感覚のみ。
   お父さんのいない世界は、こんなにも、灰色だ――

 いつの間にか、私の涙は枯れていた。モナ子さんはというと、まだ鼻をすする私の頭を、ポンポンと撫でてくれている。……恥ずかしい所を見せちゃったなぁ……
「その。えっと……
 …………
 ……ごめん、なさい」
 やっとの事で搾り出した謝罪に、モナ子さんはゆっくりと首を振る。
「私だって、ウミちゃんと同じ立場になったら……きっと、何もできないだろうから。だから、謝ったりしないで、ね?」
 ああ、そっか……彼女も、同じなんだ。
「大丈夫。思いは届くよ……血が繋がってなくたって、親子なんだから」
 モナ子さんも、一瞬不安そうに瞳を揺らした。けど、すぐに自信に溢れた顔に戻る。
「そう……かなぁ? そうだと、いいなぁ……」
 ううん……きっとそうだよね、お父さん。
「うん……あ、いっけない! リンゴ飴焦がしちゃうっ!」
 少々“何か”を台無しにして、モナ子さんは立ち上がる。こ……ここは我慢っ!
「……っと、ウミちゃんも食べてく? リンゴ飴」
 台所に行きかけた足を止め、モナ子さんは聞いてくる。うーん、でも色々もらってばかりだしなぁ……
「ウミちゃんの好きなもの、なんでも作ってあげるよ。コレも何かの縁だし、今日は一緒に遊ぼう!」
「……そういう事なら。あ、リンゴ飴も手伝います!」
 今度は私が苦笑する番だった。

 ――ねえお父さん。相変わらず世界は灰色だけど、まだ、頑張れるよ。だから、早く帰ってきてね。


<fin>
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